【青木祐奈の言葉】込み上げた悔しさ 現役続行の葛藤を乗り越えた先に/現地限定

【アレン=藤塚大輔】7位となった青木祐奈(22=MFアカデミー)は、納得の表情も浮かべたフリーから一夜明け、また異なる感情が込み上げていました。涙を流す程の悔しさ-。現役続行を決めた葛藤をいまも抱えながら、前を向きます。実家で飼育するカメ「ピュア」の話では満面の笑みも浮かんだ「青木祐奈の言葉」です。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第1戦スケートアメリカ>◇10月20日(日本時間21日)◇テキサス・アレン

「思いっきり感情に従う」

―昨夜はどのように過ごしましたか

ずっと泣いてました。朝の5時ぐらいまで(笑い)

―フリー後の取材では、今できることをできたという旨の話をしていましたが

フリーが終わった直後は、自分やりきったなって思って安心してたんですけど。トータルの結果が出たら、もうちょっとショートを頑張っていたらと。頑張っていたらって、頑張ってはいたんですけど(苦笑)。もうちょっと良かったら、表彰台も夢じゃなかったなっていうので、なんか悔しさがあって。ジュニアぶりの感覚が湧いてきました。

スケートアメリカを終えて一夜明け取材に応じる青木(撮影・藤塚大輔)

スケートアメリカを終えて一夜明け取材に応じる青木(撮影・藤塚大輔)

―忘れかけていた感情が芽生えて、新しく火がつきましたか

そうですね。やっぱりジュニアGPでは1度も表彰台に乗れなかったので。一緒にいた友達はみんな乗っていて。悔しさを久しぶりに思い出して。なんか、去年1年は良かったけど、その苦しさだったりつらさっていうのを改めてなんか実感しました

―悔しさを持っていく方向は定まりましたか

そうですね。今すぐに前向きに、ポジティブにというのはちょっと難しくて。自分も「続けて正解だったのかな」って、たくさん疑問があります。ここまで進んで決めたことなので、とにかく今シーズン、あとNHKと全日本って大きい大会が残っているので、その2つはしっかりやりきりたいなと思っています。

フリーの演技をする青木祐奈(共同)

フリーの演技をする青木祐奈(共同)

―大きい試合に合わせる難しさがありましたか

確かにピーキングが難しいなとあらためて感じました。夏の大会の段階でまとめられていたことは自分としても自信にはなったんですけど、その分、それを維持していくのは大変で。基本的に1年間を通して調子は常に維持されてるんですけど、やっぱりプログラムになった時の集中だったり、練習での緊張感だったりが、大きい大会になってくると変わるので。私はそこが慣れてないというか。今までは全日本だけみたいな感じだったんですが、それが1カ月に1回なので。10月、11月、12月と続くと、自分もいま日本に帰って、まずどうしたらいいかっていうのがあまり分かっていないので。今はそれはちょっと自分で考えるのが難しいので、中庭先生に相談したいと思っています。

演技を終え、キスアンドクライで笑顔を見せる青木祐奈(右)(共同)

演技を終え、キスアンドクライで笑顔を見せる青木祐奈(右)(共同)

―そういう場合、中庭先生はどのようなアドバイスを授けてくれますか

結構私の意見を聞いてくださりますし、その子にあった練習量だったり、質だったりを先生は見ているので。私の場合は練習しまくるよりも、少し休憩を入れてやった方が集中できるタイプです。(今回の帰国後も)1日は絶対オフにするんですけど、「2日ぐらい休んだ方がいい」と言われるかもしれませんし。NHK杯まで時間があまりないので、気持ちを立て直すことを中庭先生に手伝ってほしいなと思います。

―気持ちの面でも波がありますか

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。