宇野昌磨 表現者を目指す現在地「ネーサン、ゆづくん」名挙げ示した自らがあるべき姿

世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が、今季初戦となったグランプリ(GP)シリーズ第4戦中国杯(重慶)を終えました。

ショートプログラム(SP)は首位発進。フリーでアダム・シャオイムファ(フランス)に逆転を許して2位となりましたが、その表情は笑顔でした。

昨季終了後に「表現者」を目指す道へかじを切り、初めての競技会で何を感じるのか-。担当記者も現地に乗り込み、その視点で4日間の取材を続けました。

そこで見えた世界王者の現在地を描きます。(敬称略)

フィギュア

中国杯・男子シングル成績


順位名前SPフリー合計
1アダム・シァオイムファ91.21207.17298.38
2宇野昌磨105.21174.73279.94
3ミハイル・シャイドロフ89.94174.52264.46
4友野一希80.50171.45251.95
5ガブリエレ・フランジパーニ85.19166.40251.59
6山本草太75.48170.10245.58
7ボーヤン・ジン87.44149.84237.28
8イ・シヒョン74.43134.70209.13
9ジミー・マー77.29127.87205.16
10シュー・ジューウェン65.57128.22193.79
11ダイウェイ・ダイ64.25121.31185.56
12ルーカス・ブルサード61.05120.10181.15
中国杯の一夜明け会見で写真に納まる宇野

中国杯の一夜明け会見で写真に納まる宇野

王者の肩叩き「コングラチュレーションズ」

日中は活気あふれるリンク近くのショッピングモールも、人通りがほとんどない日曜日の朝は、エスカレーターが止まっていた。

11月12日、午前8時。エキシビション前のフリー一夜明け取材に向け、早めに重慶華西文化スポーツセンターへと足を運んでみた。

ファストフード店の向かいに位置する会場北側の入り口を入ると、地元中国のボーヤン・ジン(金博洋)を中心に、主要選手が並んだ巨大ポスターが見える。

そこまでは公式練習が行われた3日前から、変わらない光景だった。

本文残り86% (3716文字/4313文字)

大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。