【高橋大輔の言葉】プロデューサー自ら語る「滑走屋」の楽しみ方「上から俯瞰して…」

プロフィギュアスケーターの高橋大輔さん(38)が10月27日、千葉・船橋市で行われた「MFLP船橋プレミアムフェスタ2024」に参加しました。

スケート教室前には、駆けつけた多くのファンの前でトークショー。10月25日は青森・テクノルアイスパーク八戸で行われていた東日本選手権を視察、前日26日は愛媛・松山市で基礎スケート教室とタフな日程でしたが、和やかなひとときを過ごしました。

2024年を振り返り、2025年、その先への思いも語ったトークショーの内容を「高橋大輔の言葉」としてお届けします。

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MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで思いを語る高橋大輔さん(撮影・松本航)

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで思いを語る高橋大輔さん(撮影・松本航)

「こんなに1年って早かったかな」

―歓声がすごいですね

皆さん、お元気ですね(笑い)。

―たくさんのファンの皆さんがお越しくださっています。先ほどまで雨が降っていましたが、高橋さんパワーで…

そうなのかな(笑い)。ちょっとだけ止んで良かったですね(笑い)。

―まずファンの皆さんへ、高橋さんから一言お願いします

高橋大輔です。(歓声に)僕、ちょっと今日疲れていたんですけど、皆さんのパワーをいただいて、すごく元気になりました。短い時間ですけど、よろしくお願いします。

―昨年の引退から1年半がたっていますね

ね、1年半(笑い)。

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで笑顔を見せる高橋大輔さん(撮影・松本航)

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで笑顔を見せる高橋大輔さん(撮影・松本航)

―今年もあと2カ月ほど残っていますが、2024年をここまで振り返って、どのような年でしたか

本当に1月から、初めて…あれ、1月でしたかね。あれ。滑走屋っていつだったっけ。(ファンから2月と聞いて)そうですね、1月からずっと稽古をしていて、そこから今回映画をやらせていただいたり、アイスショーをやらせてもらったり、あっという間に時間が過ぎていました。(フジテレビの)「ぽかぽか」とかね。新しいことをすごくやらせていただいて、本当にあっという間に過ぎてしまって「こんなに1年って早かったかな」と。あと2カ月しかないのにびっくりしています。

―ずっと選手としてやってこられて、毎日のルーティン、心境の変化などありましたか

僕、本当に現役をずっと続けていたので、シンプルに1つのことをずっとやるのに慣れていました。いろんなことを同時進行でやっていく状況に、自分自身が慣れていなさすぎて、そこらへんの体調管理であったり、メンタル管理が全然違う状況。僕自身、この1年間は自分の…なんていうんだろう、自分のような自分じゃないような感覚で…。

―何が一番大変でしたか

毎日同じルーティンを過ごしているんですけど、日々違うことをしているので、自分が今どれにフォーカスしているか、途中で分からなくなったりとか。あとはスケジュール管理が結構苦手なんですけど、そこでいろいろ入ってくるので、プライベートでも結構(予定を)だぶらせちゃったりとか(笑い)。迷惑かけることもあったりとかで、この1年、1年半ですかね。いろいろな新しい経験をさせていただいて、今、成長“チュウ”、成長“ツウ”? 成長中なのかなと思っています。不慣れなことも、いい自分への勉強かなと思って、取り組んでいます。

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで笑顔を見せる高橋大輔さん(撮影・松本航)

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のトークショーで笑顔を見せる高橋大輔さん(撮影・松本航)

―テレビで見る機会も増えて、ファンとしてもうれしいんじゃないでしょうか

見てくださっていますか? (拍手や声援に)ありがとうございます。ちょっと全然慣れないんですよ。テレビは全く慣れなくて。

―試合よりも緊張しますか

そうですね。毎週やらせていただいているんですけど、毎週緊張していて、本当にいつも本番前はこう(緊張)なっています。

―本番前はどういうふうに集中されますか。音楽を聞いたり…

いや、なるべく自然体でいようとはしているんですけど、口数が減っているみたいです(笑い)。

―やっぱり皆さん緊張されると、口数は減りますよね。今年2月には「滑走屋」をやられました。75分間休憩なし。新たな試みもされていましたが、実際にやってみて、いかがでしたか

今回はプロデュースっていう形でやらせていただいて、本当に初めての試みで。振り付けの方もスケーターの方ではなく、フロアの振り付けの方にお願いして、全くスケートが分からない状態の方でした。それも「氷艶」というアイスショーで知り合った役者さんの方で、その方もダンスの振りだったり、演出もされている方なので。1度見に行った時に本当に素晴らしい演出をされていて、ぜひお願いしたいと思って、お願いしました。滑走屋を本番で迎えるにあたって1ケ月から1カ月半ぐらい、陸の振りを氷に落としたり、それを氷で本番に向けて滑ってくれる方に伝える。普通のアイスショーだと3日間ぐらいでリハーサルをして本番になりますが、それだけ時間をかけてやった。今までの通例は2時間から2時間半だったりのアイスショーですが、コンセプトとして、もちろん「ずっと応援してくれる方が楽しんでいただけるように」っていうのもありますが、それ以外に「あんまりスケートを見たことがない方に触れ合っていただきたい」思いがありました。フィギュアスケートのチケットって、ちょっと価格帯が高いイメージがあるんですけど、なるべく頑張って、一番下げられるところまで下げて。今までスケートをあまり見たことがない、興味がない方に。僕自身もあまり興味がないことに2時間、2時間半ってちょっとしんどいなって思う時があったりするので。だったら短くして、時間帯を3つに分けて、いろいろな時間帯でファミリー層だったり、いろいろな層があると思うんですけど、その時間帯で比較的来やすいように3つに分けて、短くギュッと詰めて。その中にスケートのかっこよさだったり、そういったものを見せられるような舞台にしたいなと思って、やらせていただきました。すみません、すごく長くなっちゃっていますけど(笑い)。アイスショーにも出たことがないような若いスケーターを起用して。

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のスケート教室で子どもたちを指導する高橋大輔さん(撮影・松本航)

MFLP船橋プレミアムフェスタ2024のスケート教室で子どもたちを指導する高橋大輔さん(撮影・松本航)

―出演者の選出も高橋さん自ら…

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。