【宇野昌磨列伝】松本航記者が迫る人柄「五輪が全てではない」7年半の取材ノートから

フィギュアスケートで日本男子初となる世界選手権2連覇を遂げた宇野昌磨選手(26=トヨタ自動車)が9日、現役引退を表明しました。5歳からの競技歴は21年。信頼する仲間たちに支えられ、オリンピック(五輪)では日本勢最多のメダル3個を獲得しました。

偉業に彩られた国内外の競技会。その大半に足を運び、その思考に迫ってきた日刊スポーツ新聞、XアカウントFigure365、日刊スポーツ・プレミアムのフィギュアスケート担当記者が過去のノートを見返し、蓄積してきたコメントや証言から、人柄を掘り下げる連載「宇野昌磨列伝~ニッカン取材ノートから~」をスタートします。

第1回は2016年から密着してきた松本航記者(33)が人物像を描きます。

フィギュア

2016年12月から番記者

16年10月、フィギュアスケート・ジャパンオープン 「公認大会で初めて4回転フリップジャンプをした男子フィギュア選手」としてギネス世界記録に認定された宇野

16年10月、フィギュアスケート・ジャパンオープン 「公認大会で初めて4回転フリップジャンプをした男子フィギュア選手」としてギネス世界記録に認定された宇野

2016年末に初めて取材して以降、宇野の話を聞く際に念頭に置いた言葉がある。

「よっぽどダメなこと以外、思ったことをそのまま言う。自分の気持ちにうそをつくことが得意じゃないし、好きじゃない。1年間通して全然違うことを言っていますし、それは毎回の自分の気持ちの変化と思って見ていただきたいです」

平昌五輪シーズンに入った2017年夏。

同じ場で「僕の中でどの試合も悔しい思いをしたくない」と言った。

16年10月、フィギュアスケート・ジャパンオープン 男子フリーで4回転フリップを成功させる宇野

16年10月、フィギュアスケート・ジャパンオープン 男子フリーで4回転フリップを成功させる宇野

それから約半年後。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。